全圧連の動き(令和3年度)

■さらなる「品質確保」に向けて

令和4年1月31日
公益社団法人日本鉄筋継手協会 会長 勝木 太
公益社団法人日本鉄筋継手協会
会長 勝木 太

新年、明けましておめでとうございます。

皆様にはご健勝にて新年をお迎えのこととお 慶び申し上げます。平素より当協会の事業に対 しまして、格別なる御高配を賜り、厚く御礼申 し上げます。

鉄筋継手は、鉄筋コンクリート構造物の安全 性及び品質に大きく左右する重要なものです。 特に、ガス圧接継手は、阪神淡路大震災以降、 精力的にガス圧接継手の品質確保に関する研究 がなされ、その普及展開活動もあり、それ以降 の巨大地震において圧接部の破断等も確認され ず、高い施工品質が維持されています。これは、 全国圧接業協同組合連合会を中心とした業団体 のもと、ガス圧接継手工事に携わる技術者の皆 様が日頃からガス圧接継手の高度な専門技術を 取得するため真摯に取り組んできた成果であり、 ガス圧接継手施工会社の皆様が優れた施工・品 質管理体制のもとで責任を持って業務を展開され、 ガス圧接継手の品質向上のために日々ご尽力さ れていることによって実現されています。この 場をお借りして御礼申し上げます。

2020 年より新型コロナウイルス感染症の拡大 に伴い予定されていた定期試験・講習会を中止 せざるを得ない状況となっております。その対 応策として、技量者及び技術者の適格証明書の 使用期限の伸長を実施しております。また、本 協会は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対 策ガイドラインの作成や講習会のオンライン化等を行い、要員認証活動の一部を再開したものの、 本協会の責務である要員認証活動が新型コロナ ウイルス感染症の状況により中止・延期された こと、また、制約条件下で実施しなければなら なかったことで皆様にご不便をおかけしたこと と思います。本年度も、オミクロン株の爆発的 な感染拡大が予想される中、新型コロナウイル ス感染防止策下での要員認証活動を実施してま いりますとともに、各種事業の更なるオンライ ン化を推進させることにより事業の効率化を図 ります。

本協会の鉄筋継手標準仕様書は、国土交通省 の公共建築工事標準仕様書(建築工事編)等を はじめ土木学会の「鉄筋定着・継手指針[2020 年版]」、日本建築学会の「建築工事標準仕様書・ 同解説 JASS5 鉄筋コンクリート工事」の改定に 際し盛り込まれ、本協会が認定する鉄筋継手が 高品質な継手として広く一般に認識されるよう になっています。今後も、各種標準仕様書及び 標準要領書の普及展開を図り、工事関係者に広 く周知していただけるよう継続的に活動してい きます。

本年も引き続き、鉄筋継手の信頼性と安全性 を確保するための「さらなる品質確保」に向け て一層努力を進めてまいりますので、全国圧接 業協同組合連合会の皆様のご支援ならびにご協 力を賜りますようお願い申し上げます。

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■年頭所感

令和4年1月31日
国土交通大臣 斉藤 鉄夫
国土交通大臣 斉藤 鉄夫

令和4年という新年を迎え、謹んで新春の御挨拶を申し上げます。

昨年10月に発足した第1次岸田内閣において国土交通大臣を拝命し、同年11月に発足した第2次岸田内閣においても、引き続き国土交通大臣の任に当たることとなりました。本年も国土交通行政に対する皆様の変わらぬ御理解と御協力を宜しくお願い申し上げます。

昨年からの新型コロナウイルス感染拡大は、依然として我が国の社会経済や国民生活へ甚大な影響をもたらしております。引き続き感染防止対策を行いつつ、通常に近い社会経済活動と国民の皆様が安心して暮らせる日常を取り戻すため、政府一丸となって全力で取り組んでまいります。

我が国は、気候変動に伴う自然災害の激甚化・頻発化により、毎年のように深刻な被害が発生しています。私自身、平成26年に発生した地元広島市での大規模土砂災害や、平成30年7月豪雨をはじめ、実際に災害の現場に入り、その被害を目の当たりにし、災害により犠牲となる方を少しでも減らすことこそが政治の役割であるという想いを強く抱き、これを忘れずに政治家として活動を行ってまいりました。今回、国土交通大臣を拝命し、国土交通省の持つ役割、すなわち、災害を防ぎ、国民の生命・財産を守るという極めて重要な役割を前にし、この想いを新たにしております。

本年は、特に以下の3本の柱を中心として諸課題に取り組んでまいります。

①コロナ禍からの社会経済活動の確実な回復

新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に改めてお悔やみを申し上げますとともに、直接的、間接的に被害を受けられた全ての皆様に、心よりお見舞い申し上げます。また、コロナ禍の中、献身的に尊い使命と責任を果たしていただいている全てのエッセンシャルワーカーの皆様に、心から敬意と感謝を申し上げます。

国土交通省としては、感染状況を常に見極めながら、コロナ禍により深刻な影響を受けている観光と公共交通の確実な復活を図るなど、必要な施策を講じてまいります。

②国民の安全・安心の確保

(令和3年7月及び8月の大雨をはじめとした災害からの復旧・復興)

昨年は、7月及び8月の大雨をはじめとする自然災害により全国各地で甚大な被害が生じました。犠牲となられた方々に謹んで哀悼の意を表します。

政府は、昨年7月、一連の災害からの復旧・復興のため、「令和3年7月1日からの大雨に係る支援策とりまとめ」を策定しました。国土交通省としても、廃棄物・土砂の撤去、住宅の再建、風評被害対策、公共土木施設等の応急復旧等、地域住民の交通手段の確保などの支援策を盛り込んだところです。

③未来を創る経済好循環と明るい希望の持てる社会の実現

我が国は、少子高齢化や人口減少により、経済の停滞や生活利便性の低下が起こりかねない厳しい状況に直面しておりますが、そうした中にあっても、国民の皆様の将来への不安を解消し、未来への希望が持てる社会や経済の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。

また、近年、気候変動の影響により、自然災害が激甚化・頻発化するなど、地球温暖化対策は喫緊の課題となっております。2050年カーボンニュートラル、2030年度の46%削減目標の実現に向け、政府一丸となって取り組む必要があります。地域のくらしや経済を支える幅広い分野を所管する国土交通省としても、民生・運輸部門の脱炭素化等に貢献してまいります。

建設分野では、直轄工事において企業のカーボンニュートラルに向けた取組を評価するモデル工事等を行い、更なる取組の推進を図ります。

あわせて、再エネの導入拡大に向け、再エネ海域利用法に基づく案件形成や基地港湾の計画的な整備等により洋上風力発電の導入を促進するとともに、道路、空港、鉄道施設、公園等のインフラ空間を活用した太陽光発電の導入拡大等に取り組んでまいります。

さらに、気候変動適応策として、流域治水の推進や線状降水帯等による集中豪雨等の観測体制強化・予測精度向上等に取り組むとともに、生物多様性の保全等の自然共生に向け、グリーンインフラの社会実装等を推進してまいります。

一方、人材の確保・育成に向けた働き方改革では、社会全体の生産性向上に加え、産業の中長期的な担い手の確保・育成に向けて働き方改革を進めることも重要です。

建設産業においては、「コロナ禍」を契機に取組が進んでいる非接触・リモート型の新技術の導入やi-Constructionの一層の推進を図るとともに、新・担い手3法も踏まえた工期の適正化や施工時期の平準化等を進めることにより、建設業の生産性向上や働き方改革等を一段と加速してまいります。また、建設技能者の処遇改善に向けて、技能者の資格や就業履歴を蓄積する「建設キャリアアップシステム」(CCUS)の更なる普及・活用を図るため、公共工事におけるCCUS活用工事の拡充や建設業退職金共済制度との連携、建設技能者の技能や経験に応じた賃金支払いの実現に向けた取組を進めてまいります。さらに、ダンピング対策の徹底や下請取引の適正化などを通じ、官民一体となって賃金引上げに向けた取組を進めてまいります。

さいごに

本年は、ポストコロナの新たな経済社会への転換に向け、諸課題に全力で取り組んでいく所存です。国民の皆様の一層の御理解、御協力をお願いするとともに、本年が皆様方にとりまして希望に満ちた、大いなる発展の年になりますことを心から祈念いたします。

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■国土交通省が専門工事企業の施工能力を評価

令和3年7月20日

施工能力の見える化を推進

全国圧接業協同組合連合会 専務理事 中村 真也

令和3年3月 29 日、国土交通省は専門工事企業の施工能力の見える化を推進するため、評価基準を認定し ました。

施工能力の見える化は、建設キャリアアップシステムに蓄積される事業者情報や、建設技能者の能力評価 制度を活用して専門工事業の施工能力を評価する制度です。

現在、(公社)全国鉄筋工事業協会、ダイヤモンド工事業協同組合、(一社)全国基礎工事業団体連合会、(一 社)日本基礎建設協会、(一社)日本建設躯体工事業団体連合会、(一社)JBN・全国工務店協会、全国建設労働 組合連合、(一社)全国住宅産業地域活性化協議会、(一社)日本機械土工協会が評価基準の大臣認定を受けて います。

この評価制度は、企業の申請に基づき評価していきます。企業は、基礎情報(資本金等)、施工能力(レベ ル3以上の技能者割合等)、コンプライアンス(社会保険加入等)の各項目について4段階で評価されます。

今後、施工能力の高い専門企業が、単なる価格競争でなく、受注機会を確保し、雇用する技能労働者の処 遇改善につながる仕組みを構築することを目的としています。評価の結果は評価団体、国土交通省のホームペー ジで公表することになっています。

今後、全圧連として積極的に取り組んでいきます。

施工能力の見える化を推進
国土交通省提供
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